こんにちは。
現在、小1の息子がお腹にやってきてくれたときから、我が家で一番力を入れていることは、絵本の読み聞かせです。
月に2回、図書館に通って、毎回10数冊借りています。
前回借りて、とても良い絵本だと感じた絵本を紹介しますね。
タイトルは、ジャジャン!
ゆうかんなうしクランシー
作・絵 ラチヒューム
訳 長友 恵子
どんな絵本かというと...
あらすじ
オーストラリアの牧場のお話です。
この牧場には、黒白もようのシロオビ・ギャロウェイ族と、赤白もようのヘレフォード族の2種類の種族の牛が暮らしていました。
牛たちが暮らす牧場は、年に1回開かれるレスリング大会で決まります。
優勝した方の種族が牧草の多い方の牧場に住めるのです。
しかし、牧草の多い方の牧場で暮らしている赤白もようのヘレフォード族のほうが体が大きいので、優勝するのは決まってヘレフォード族。
黒白模様のシロオビ・ギャロウェイ族の牛は、体も小さく、いつも負けてしまうのでした。
そんなシロオビ・ギャロウェイ族の中に体に白色のもようがない、真っ黒な子牛のクランシーが生まれます。
クランシーは白黒もようではないことで、仲間のシロオビ・ギャロウェイ族の牛たちから仲間はずれにされていました。
ある晩、クランシーはヘレフォード族が暮らしている、牧草の多い方の牧場に、こっそり忍び込んだのですが、誰にもみつかりませんでした。
色が黒かったので、夜の闇に溶け込んできがつかれなかったのです。
クランシーは牧草をいっぱい食べて、どんどん大きくなりました。
その年のレスリング大会にクランシーが代表として出場することになり…。
作者について
この作品は作者が12歳のときの、夏休みの自由研究で作ったものだそうです。
12歳の子が、他人とは違う個性の大切さや共生していくことをとてもユニークに描いていて、驚かされます。
魅力的な挿絵
まず、絵がとてもユニークです。
牛のとぼけた表情、色使い、表紙にひかれて本を選びました。
レスリングの練習のページで出てくる技をしている牛の絵がツボでした。
絵本が教えてくれること
この絵本の素晴らしいところは、みんな違ってみんないいという日本の童謡作家、金子みすゞさんの代表作を思わせるような内容だからです。
クランシーは他の牛とは違う、模様のない牛だけれど、自分のコンプレックスを自信に変えて、いじわるな仲間の牛たちから頼りにされるようになります。
個性を認め、みんなで暮らしていこうと声を上げるクランシーの姿に心を打たれます。
同じような境遇のヘレフォード族の牛の彼女もできて、最後にはうれしいできごとが待っています。
明るい希望を感じる終わり方も秀逸です。
最後に
読んであげるなら4、5歳から楽しめる絵本です。
世の中が、個性や多様性を大切にしていく風潮になっているので、これからの子どもたちにぜひおすすめしたい絵本です。
自分の個性を大切にすることは自己肯定感を高めます。
そして、自分と同じように他者の個性も認められると、世界はもっとより良いものになっていく。
そんなことをユーモラスに描いている心あたたまる一冊です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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